貯水槽メンテナンスの重要性──ビルに安全な水を届け続けるために

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ゼンシン株式会社です。

弊社は建物の給排水設備や水処理設備、衛生設備の施工、保守点検・メンテナンス、清掃を事業とする会社です。

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今回は「貯水槽メンテナンスの重要性──ビルに安全な水を届け続けるために」と題してお話しさせていただきます。

ビルと水──不可視のライフライン

都市に林立するビル群。そこに暮らし、働く人々の営みを支えているのは、コンクリートや鉄骨といった堅牢な構造物だけではありません。

目には見えない「水のインフラ」こそが、都市型生活を成り立たせているのです。

ビル内に安定した水供給を実現するため、欠かすことのできない存在が「貯水槽」です。

地上の水道本管から送られてきた水は、まずこの貯水槽に蓄えられ、そこから各階へと送り出されます。

飲料水、トイレ、手洗い、給湯──私たちの日常に欠かせない水は、すべてこの仕組みによって支えられています。

貯水槽は、ビルという巨大な器官における「心臓部」とも言える存在であり、日々絶え間なく、水を脈動させ続けているのです。

貯水槽に潜むリスク

どれほど堅牢に設計された設備であっても、メンテナンスなくしてはその機能を維持することはできません。

貯水槽も例外ではありません。

時間の経過とともに、微細な汚れは内部に蓄積し、外部環境の影響によって劣化が進行します。

点検や清掃を怠れば、水質が劣化し、にごりや異臭を発生させるリスクが高まります。

細菌やカビの繁殖、赤水(鉄分による着色)、さらには給水設備全体への悪影響──その影響は多岐にわたります。

特に注意すべきは、これらの問題が利用者の健康に直結する点です。

水は生活の基本であり、その質を守ることは、利用者の安心と安全を守ることにほかなりません。

だからこそ、見えない部分にこそ、最大限の注意と努力を払う必要があるのです。

メンテナンスの実際

実例として、ひとつのビルを取り上げてみます。貯水槽の健全な維持管理のため、以下のような取り組みを行っています。

  1. 清掃作業
    年に一度以上、貯水槽内部の水を完全に排出し、高圧洗浄機を用いて壁面や底面を徹底的に洗浄しています。
    その後、食品添加物にも使用される安全な消毒液を使用して殺菌処理を行います。

また、蓋の密閉性、通気口の防虫措置、パッキンの劣化状況、内壁のひび割れなど、細部にわたる点検も欠かしません。

  1. 水質検査
    毎月、貯水槽内の水を採取し、水質検査を実施しています。
    一般細菌、大腸菌群、残留塩素濃度といった項目を検査し、法令基準に適合しているかを確認しています。
    異常値が検出された場合には、直ちに再清掃と追加検査を行い、正常な水質を確保しています。
  2. 設備点検と修繕
    ポンプや配管、逆止弁、非常用給水設備など、貯水槽に付帯する設備についても定期的に点検しています。
    異音、振動、漏水といった兆候を見逃すことなく、早期修繕に努めています。
  3. 記録管理
    実施したすべての作業内容や水質検査の結果は、詳細に記録し、保管しています。
    万一、行政による立ち入り検査があった場合にも、迅速に対応できる体制を整えています。

水を守るという使命

貯水槽は、多くの利用者の目には触れない場所に設置されています。

しかし、その存在意義は計り知れないものがあります。

確実なメンテナンスと日々の記録の積み重ねが、私たちの日常生活の安心と快適を支えているのです。

貯水槽管理は単なる作業ではありません。

都市生活を支える水のライフラインを守る、責任と誇りに満ちた使命なのです。

見えない部分にこそ最大限の努力を傾け、確かな水を提供し続けることが重要です。

こちらの記事のぜひご覧ください。