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ゼンシン株式会社です。
弊社は建物の給排水設備や水処理設備、衛生設備の施工、保守点検・メンテナンス、清掃を事業とする会社です。
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今回は、ビル管理に関わる方や、設備管理に関心のある方向けに、「上水配管系のパイプクリーニング」について、わかりやすく解説します。
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■ なぜパイプクリーニングが必要なのか?
ビルの上水(飲料水や生活用水など)を供給する配管は、日々使われる中で、目に見えない汚れが徐々にたまっていきます。
これは主に、以下のような要因によるものです。
・水道水中に含まれる微細な鉄分・マンガン
・配管内の水アカやスケール(硬度成分)
・経年劣化による錆や腐食
・水の停滞によるバイオフィルム(微生物の膜)の発生
これらが配管内に蓄積すると、水の流れが悪くなったり、異臭や濁りが発生するだけでなく、最悪の場合、水質事故につながるおそれもあります。
だからこそ、定期的なパイプクリーニングが欠かせないのです。
■ パイプクリーニングの主な方法
ビルの上水配管に使われるパイプクリーニングの方法は、大きく分けて以下の3つです。
1. ジェット洗浄(高圧水洗浄)
高圧の水流を配管内に送り込んで、内部の汚れや堆積物を物理的に除去する方法です。
配管を傷めにくく、環境にもやさしい洗浄法ですが、汚れがひどい場合は効果が限定的なこともあります。
2. 薬品洗浄
専用の洗浄薬剤を用いて、錆やスケールなどを化学的に分解・除去する方法です。
洗浄力は高いですが、薬品の扱いには専門知識が必要で、排水処理などにも注意が必要です。
3. エアーパルス洗浄
水と空気を交互に流し、パルス状の衝撃で汚れを剥がす方法です。
比較的新しい技術で、配管内にやさしく、効率よく洗浄できます。
■ クリーニングのタイミングと頻度
ビルの使用状況や配管の材質によって異なりますが、一般的には3〜5年に一度のクリーニングが推奨されています。
また、以下のような兆候がある場合は、早めの対応が望まれます。
・蛇口から出る水が濁っている
・水の臭いが気になる
・水圧が弱くなってきた
・長期間使用されていない部屋がある
こうした症状は、配管内の汚れや詰まりのサインかもしれません。放置せず、設備業者に相談しましょう。
■ パイプクリーニングの流れ
実際の作業は、以下のような手順で行われます。
1. 事前調査・診断
配管の材質や経年劣化の程度、水質の確認などを行います。
2. 作業計画の立案
建物の利用状況を踏まえて、洗浄の範囲や方法を決定します。
3. クリーニング実施
実際の洗浄作業。作業中は一部の水が使えないこともあります。
4. 排水処理・水質確認
汚れた排水は適切に処理し、洗浄後の水質をチェックします。
5. 報告書の提出
作業結果をまとめた報告書が提出されます。今後の管理にも役立ちます。
■ ビル利用者にとってのメリット
パイプクリーニングは、目に見えない部分の作業ではありますが、その効果は利用者の快適さに直結します。
・安全な水を安心して使える
・蛇口の水がクリアに
・配管トラブルの予防
・建物全体の資産価値を維持
定期的なメンテナンスは、トラブルを未然に防ぎ、快適なビル環境を守る第一歩なのです。
いかがでしたか?
「ビルの上水配管系のパイプクリーニング」は、地味ながらとても重要な設備管理の一環です。
普段はあまり意識しないかもしれませんが、だからこそ、定期的なチェックとクリーニングで、安全で快適な水環境を保っていきましょう。
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