建物の上水配管系の点検・整備 〜安心・安全な水を届けるために〜


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今回は、「建物の上水配管系の点検・整備 〜安心・安全な水を届けるために〜」というタイトルでお話しさせていただきます。

建物の快適性や安全性を維持するうえで欠かせないのが「上水配管系」の健全な管理です。

上水配管とは、建物内で飲用や生活用水として使用される水を供給するための配管システムのことで、水道本管から引き込まれた水を、給水タンク・加圧ポンプ・各階の蛇口までスムーズに届ける役割を担っています。

この配管にトラブルが発生すれば、水の供給に支障をきたすだけでなく、衛生面のリスクや建物の損傷にもつながりかねません。

そこで本記事では、「建物の上水配管系の点検・整備」について、なぜ重要なのか、どのように行うべきか、そして管理者が押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

なぜ上水配管の点検・整備が重要なのか?

上水配管は、建物が建設された当初から常に使われ続ける設備です。

年数を経るごとに、管内には鉄サビやスケール(鉱物成分の固まり)が付着し、水圧の低下や水質の悪化を引き起こす原因となります。

また、目に見えない小さな亀裂や腐食が進行すれば、漏水事故に発展することも。

特にマンションや商業施設など多くの人が利用する建物では、ひとたび漏水が起きると甚大な被害につながります。

点検や整備を定期的に行うことで、こうしたトラブルを未然に防ぎ、安全かつ快適な水の供給を確保できます。さらに、配管の劣化状況を早期に把握することで、更新時期の計画立案や修繕コストの最適化にもつながります。

点検・整備の主な内容とは?

上水配管系の点検・整備は、以下のような内容で実施されます。

目視点検・触診点検

配管の外観状態を確認し、腐食・漏水・結露の有無をチェックします。目に見える部分はもちろん、天井裏やシャフト内など目視が難しい箇所も重点的に確認します。

水圧・流量測定

蛇口からの水圧や流量を測定することで、配管内部の詰まりや異常を検知します。数値に異常があれば、配管内にスケールが蓄積している可能性があります。

水質検査

水の色・臭い・濁り・細菌検出などの項目を検査します。特に経年劣化した配管では、赤水(鉄サビ混じりの水)が発生することがあり、早急な対応が必要です。

内視鏡調査(ファイバースコープ)

配管の内部をカメラで撮影し、サビやスケールの付着状況、腐食箇所の有無を詳細に確認します。これにより、更新・洗浄・補修の必要性を的確に判断できます。

配管洗浄

必要に応じて、薬品洗浄や高圧水洗浄を行い、配管内部の堆積物を除去します。これにより、水質改善と配管寿命の延長が期待できます。

点検・整備の頻度とタイミング

建物の用途や規模にもよりますが、上水配管の点検は少なくとも年に1回、築20年以上経過した建物では半年に1回程度の頻度で実施するのが望ましいとされています。

また、以下のようなサインがある場合は、早急な点検をおすすめします。

赤水や異臭の発生

水の出が悪い、水圧が弱い

漏水の疑い(壁や天井のシミなど)

長期間点検をしていない

これらの兆候を見逃すと、被害が拡大し、修繕費が高額になるリスクもあります。

管理者が押さえておくべきポイント

建物の管理者やオーナーが心がけるべきは、次の3点です。

記録の蓄積と管理履歴の可視化

点検・整備の記録を残し、どの部分がどのように対応されたかを明確にしておくことで、次回の整備計画が立てやすくなります。

信頼できる業者の選定

建物の規模や配管の材質によって最適な診断方法や整備手法は異なります。経験豊富な専門業者に依頼することが、適切なメンテナンスの第一歩です。

中長期的な更新計画の立案

点検結果を踏まえたうえで、数年先を見据えた更新計画や設備投資のスケジューリングを行うことで、建物の価値を維持・向上できます。

まとめ:日々の積み重ねが「安全な水環境」を守る

上水配管は、建物の基盤を支える「インフラの心臓部」です。

普段は目に見えない部分だからこそ、定期的な点検と整備が欠かせません。

水はすべての利用者にとって身近で重要な資源です。建物を長く安心して使い続けるためにも、上水配管系の管理は、目を配るべき最優先項目の一つといえるでしょう。

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